Amazing!~64年目の初対面~ | ekubo's Room

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この3連休、アメリカから来られた家族を、母と一緒に京都、奈良を観光案内していました。
それと言うのも・・・。

私の母の文通相手が、アメリカから初来日されたのです。
その文通期間が、なんと、まる64年!

64年といえば、生まれた子供が立派な大人になるような年数、
もしかしたら一生分ってことも有り得る年数ですね~。

この64年間、一度も会うことはなく、文通だけのやりとりです。
最近はEメールもありますが、母も相手の方も78歳という年、
もっぱら文通ですね。
文通といっても、年に数えるくらいの回数だけど、
それでも滞ることなく、64年間続いて今に至る、です。

サリーさん(相手の方)一家はカリフォルニアを昨年12月の末に発ち、
その後約2週間タイへ、その後日本へ来られたという、
いかにもアメリカ的な旅行!
サリーさんとそのご主人(78歳)、そして長男(50歳)の3人、
ご主人は杖をつきながらのこの長旅。
私の母に会うためにだけ、京都に立ち寄ってくれたのでした。


12日の土曜日、64年目にしても初顔合わせ、私も同行してドキドキの初対面です。
写真の通りの笑顔のサリーさん、ご主人オークさん、優しい柔和な長男のエスコットさんが
待ち合わせ場所のホテルのロビーに姿を現すと…。
言葉は違っても通じ合えるんですねぇ。。。

サリーさんは私の母自身ですら忘れていた、
母が17歳の時に送った着物姿の写真を持ってきてて下さり、
母も私もびっくり!
母も、サリーさんからのプレゼントのネックレスを持ってきて、
今度はサリーさんが驚き。。。
その日はそんな感じでとりとめのない、お喋り(本当に話題があっち行ったりこっち行ったり)で、
いよいよ翌日からは京都、奈良観光です。


翌13日は、サリーさんからの希望でまず、金閣寺、そこから、
平安神宮→昼食(天ぷら)→清水寺 
というゴールデンコースです。

この日はお天気も良く、金閣寺は午前のやや弱い陽光にも見事に金色に光っていました。
周囲の池は昨晩からの冷え込みで張った氷が割れかけていました。
池の面に映る金色の金閣寺、浮島にとまっている鷺、まるで写真のよう。
平安神宮では、黒澤映画が好きだというエスコットさんが、
『まるでクロサワ映画そのもの!』と感動してくれていました。

お昼に食べた天ぷらは、天ぷらを揚げている手元が見えるカウンター席。
サリーさん一家はアメリカ人なのに、いわゆるアメリカンフード(ハンバーガー、フライドチキンなど)が
嫌いで日本食を食べる方が多い、と言う。
なので、天ぷらも寿司も食べなれている、と。
でも、アメリカの日本食レストランでは天ぷらを揚げるところを見たことがないから、
『これはリアル天ぷらだ~!』と。
完食されて、『これを食べたら、もうアメリカで天ぷらを食べられない!』と絶賛でした。
清水寺では、人の多さに驚かれ、舞台の高さに驚かれ。。。


翌14日はあいにくの雨模様。
前日に「もしかしたら明日は雪かも」と言ったら、
温暖なカリフォルニアでは見られない雪に「楽しみ!」と言われたけど、
雪は夜の間に少々降ったようだったけど、当日は、寒い、雨でした。

興福寺の五重塔を見上げ、昼食に出てきた「しゃぶしゃぶ」の小鍋
(卓上で固形燃料に火をつけて温める、よくあるタイプの鍋)に驚かれ、
しゃぶしゃぶの意味を尋ねられて、母とう~ん、と考え込み。。。

東大寺の参道では、鹿せんべいを買って鹿まみれになってもらいました。
そして、大仏殿ではひたすら感動されていた様子。
何枚も何枚も写真を撮って。

いろいろ尋ねられましたね~。
平安神宮は赤いのになぜここ(東大寺)は赤くないのか。
大仏は何で出来ているのか。
鳥居は何の為にあるのか。
家々にある注連飾りや店頭にある松飾は何なのか。
などなど他にもいろいろ。
外国人から見た日本(の風景)はこんなふうに見えているんだなぁと。

そしてその東大寺参道で人待ちをしていた観光客相手の人力車のお兄ちゃんが、
母とサリーさんに「どこから来られたんですか~?」と聞いてきました。
母が、嬉しさもあって、「私たち、64年間文通していて、今日初めて会ったのよ!」と
興奮気味に話すと、そのお兄ちゃんが、

            「  アメ~ジング! 」

そうですよね、まさにアメージング、こんなふうに実際に会ってるなんて、
驚き、ですよね。

64年前に文通を始めた時は、まさか64年も続いてこうやって一緒に歩くときが来るなんて、
思ってもいなかったと思います。
もサリーさんも一生に一度のアメージング。
私も、サリーさんから届くグリーティングカードなどを母と一緒に見ていて、
まさか自分がこうやって本人とうとは・・・!です。

今日16日、サリーさん一家は東京へ向けて新幹線で発たれました。
見送りに行くことを事前に伝えずに当日に出発ホームへ見送りに行ったので、
「Surprise!!」と驚かれましたね~。
次の約束は確約できなくても、
「今度はカリフォルニアへ是非!」「また日本に来てくださいね!」と言い合って、
お別れしました。

大役を終えて母は、ホッとした、まるで夢のような日だった、と。
私自身も、お店の予約や観光コースの内容などいろいろ根回しをしたので、
どれも喜んでもらえてホッとしたのは勿論、それと同時に淋しさも。
それにしても、外国の人って、本当にほめ上手、そして女性に優しいですね。。。

今もまだ耳や脳?が、「英語慣れ」しているので、
思わず英語が口から出そうになる私…なんていうときっと英語がペラペラ、、と
思われるかもしれませんが。
母も私も、全然、です。謙遜ではなくて、本当に 全然、ぜんぜん です。

でも、母も私も一致した意見、
           「言葉は通じなくても、気持ちは通じる」

サリーさんたちも日本語は全く×、それでも何とかなるもんなんですね。
お互いを思う気持ち、そしてジェスチャーと筆記(笑)があれば。

本当に夢のような3日間でした。楽しかった!

そして、これからも母とサリーさんの文通がずっとずっと続きますように・・・!